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ダイナコ mk3 真空管アンプ修理 横浜市 N様

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ダイナコ mk3(DYNACO mark-III)モノラル 真空管パワーアンプ 修理。

1976年頃に既存の管球式モノラルパワーアンプのキット版として、ダイナコから発売され、終段管に6550(KT-88)を採用したプッシュプル(PP)方式で、定格出力:60W、瞬間140Wのハイパワーアンプです。

使用真空管: 6550(KT-88)x2、6AN8、GZ-34(5AR4)


【状態および修理内容】


この真空管アンプの主な故障は次の通りです。

  • 各部品の経年劣化による不良
  • その後の改造や修理の際に生じた部品の選択ミスやハンダ付け不良
  • 基板の汚れによる絶縁不良

お客様のご要望で、徹底的に修理する運びとなりました。部品はトランスを除き98%を交換しました。

《具体的な修理》

  1. B電源の改造部品を撤去
  2. 電源周り修理 複合ブロックコンデンサ交換
    Dynaco Mk3に使用されている複合ブロックコンデンサの30uFが容量抜け・絶縁不良でしたため交換しました。
    交換前のブロックコンデンサは、筐体とシャーシが半田付けされていないため、コンデンサの取付にガタつきがあり、接地(アース)面でも問題がありました。新しいブロックコンデンサの取付は、200ワットの半田コテを使い、コンデンサの筐体とシャーシをしっかりと半田付けしました。これによりアース接地も安定しました。
    更にコンデンサに取り付けてあった抵抗も新品交換しました。
  3. 初段 真空管6AN8 基板修理(組み替え)
    この真空管アンプには、ハム音や音声が歪などの故障があり、アンプ初段の真空管(6AN8)周りの基板内に主な原因がある事がわかりました。
    具体的には、コデンサを取り付ける場所に抵抗が付いているミスがあったり、高電圧が流れる基板のプリントパターン上に汚れが集まり、基板自体の絶縁が悪くなり、B電源が隣接部品にリークする等の問題が見つかりました。
    基板を清掃するため、一旦全ての部品を取り除きますので、その際に新しい部品に交換しました。
    カサカサ音のノイズも無くなりました。
  4. バイアス回路 組換え・調整
    バイアス回路の電源に使われている電解コンデンサが絶縁不良で少し膨張(変形)が始まっている状態でした。整流用ダイオードのリードも腐食しており、今後故障する事が予想されますので部品を交換しますが、ラグ版を含めバイアス回路を全て組み替えました。
    また、バイアス調整用の可変抵抗に接触不良やガリが生じると、出力管(KT88)に過電流が流れ破損するリスクがあり、整流管を含む電源系にもダメージが及ぶ可能性があるため、密閉性のよい可変抵抗に新品交換しました。
    可変抵抗に取り付けてあったコンデンサは、液漏れ膨張していましたので交換しました。その際、取付場所を基板の絶縁体の所へ移動しました。
  5. 老朽化したAC電源コード交換
    お客様のご要望で、ACプラグ付き電源コードを交換しました。
  6. 電源トランスうなり軽減対策
    ダイナコ Mk3の電源トランス(P-782)ですが、少々うなり音が出ます。一次側の入力のみの通電テストを行いましたが唸りがあります。唸りはトランスの自体の問題(仕様)と思われます。 P-782の資料を確認すると、50/60Hzと記載してありますため、50Hzにも対応していると考えます。
    交換しない範囲で可能な対策は、コア(鉄心)の締め付けを強化する事です。標準ではトランス中央の2箇所をボルト締めしていますが、写真の通り合計6箇所をボルトで締め付けました。できる対策としてもう一つ、Dynaco mk3のシャーシに厚めの振動吸収コム脚を設置しました。
    唸りを完全に解消するには、トランスの交換(特注)が必要と思われます。

真空管アンプDynaco mk3の修理後、動作確認のため、15インチウーハーのスピーカーで試聴した結果、大変豊かでダンピングの効いた低域は素晴らしく、あらゆるソースに対応できるパワーアンプという印象です。

※Dynaco mk3の修理前と修理後の比較写真などの詳細は「真空管アンプ修理 Dynaco Mark-III修理」でも紹介しております。

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